【体験】#1 祖父の1200万

ストーリー

正直、何も考えずに生きていた。

 

高校時代、

「安定しているから」という理由で親に勧められ

「理系の人はみんな難しい計算している。こんなのやりたくない」

と思っていた僕は何の志もないまま医療系の学校に進み、

そのままなんとなく就職した。

 

特別な夢があったわけじゃない。やりたいことなんて一つもなかった。

 

就職後は

毎朝早く起きて

仕事に行き、

疲れて帰る。

 

仕事終わりは同期とごはんに行って、

飲み会で遅く帰る日もあれば、

休みの日は昼間で寝るか。

そのあとはゲームか、YouTubeで1日が終わる。

 

給料は正直高くない。

でも、生活ができないわけではない。月末余った分は貯金すると学生の頃から決めていた。ためる目的もなんとなくだった。

 

何も仕事が嫌いなわけでもない。

 

むしろ患者さんに感謝される瞬間にはやりがいも感じる。

 

特に努力もしていない。

「まあ、こんなもんか」

 

そんな風に思いながら毎日過ごしていた。

 

そんな1年目だった。

 

このままでいいと思っていた。

 

1200万の怖さ

 

でも、ある日。

2年前に亡くなった祖父の通帳が見つかった。

 

僕の名義だった。

 

最初は意味が分からなかった。

 

「なんで祖父の家から僕の名前?」

 

子供の頃に作った通帳を何十年ともっていたらしい。

 

地元から離れたところで暮らす僕は母に呼び出され

銀行窓口で中を確認した瞬間

頭が真っ白になった。

 

そこに入っていたのは、1200万円

 

見たこともない数字だった。

数字をぱっと見で判断できないので一の位から確認した。

 

自分とは無縁だと思っていたというか考えてもいなかったお金の羅列。

 

大学4年間、

バイトして、

節約して、

やっと貯めた30万円。

 

周りは貯金していない人がほとんどだったため結構持っている方と思っていた。

 

しかし、その何十倍ものお金が、

突然目の前に現れた。

 

もちろん嬉しかった。

 

でも、それ以上に——

怖かった

 

23歳の自分には、

あまりにも大きすぎる金額だった。

 

「このお金どうなさいます?」

銀行の窓口のスタッフさんが気まずそうに僕と母に尋ねた。

 

正直、使おうと思えば何でもできる。

 

車を買うこともできる。

海外旅行だって何回も行ける。

将来、かっこいい家を建てることだってできる。

 

頭の中に、

いろんな未来が一気に浮かんだ。

 

「人生変わるかもしれない」

 

「人生変わるかもしれない」

そう思った。

 

でも同時に

「使い方を間違えたら終わる」

とも思った。

 

今まで数万円の買い物ですら悩んでいた自分が、

急に1200万を持つ。

 

感覚が追い付かなかった。

 

「どう使うかは任せるよ」

 

母には言われた。

「どう使うかは任せるよ」と。 

 

その言葉が逆に重かった。

 

自由って正解がない分思っていたより怖い。

 

結局

1000万円は母に預けて、

200万円だけ自分で持つことにした。

 

でも、何かに使うわけでもなかった。

 

自分の貯金銀行に置いたまま。

 

生活も変わらない。

 

仕事をやめるわけでもなく

高いものを買うわけでもなく

相変わらず同期とごはんに行って、

休みの日は寝ていた。

 

まるで、

何もなかったかのように時間は過ぎた。

 

心の中の変化

 

ただ

一つだけ変わったことがあった。

 

「お金」について考えるようになった。

 

今までは、

給料が入って、

なんとなく使って

余ったら貯金。

 

それだけだった。

 

しかし、1200万を前にして

心の中では自分の生活がどこかこのままではだめだということにも気づいていた。

 

でもどうするべきかは学校でも教わっていないし、何もわからなかった。

 

教えてくれたYouTube

 

きっかけは、

本当に偶然だった。

 

寝る前にいつも通りYouTubeを開いて動画を見ていた。

 

そこで流れてきたのは

 

リベラルアーツ大学

 

の動画だった。

 

「お金」について扱っているチャンネルで登録者数も何百万人もいる。

学校で教えてもらえない、しかし大人になったら必ず当たるお金の問題をわかりやすく解説してくれている。

 

そこで投資というものに出会った。

 

でもその時の僕にとって、

「投資」はまだ遠い存在だった。

ギャンブルみたいで、正直怖かった。

 

「NISA?インデックス?」

最初は、言葉の意味すらわからなかった。

 

聞いたことはあるが、全部自分とはどこか違う世界の話だと思っていた。

いやそう思い込んでいたから、どこか耳に入らなかったのかもしれない。

 

お金持ちがやるもの。そのイメージだった。

 

投資は怖い

 

値動き。

暴落。

損失。

 

ニュースにはこういった報道がよくされているイメージ。

 

「怖い世界だな」と思っていた。

 

せっかく祖父が残してくれたお金を減らしたくなかった。

 

失敗したらどうする?

半分になったら?

 

銀行に預けていたほうが安全。

 

そんな不安ばかり考えていた。

 

勝手に抱いていた投資へのイメージは一部でしかなかった

 

通勤中。寝る前。休みの日。

 

少しずつ動画を見るようになった。

 

すると、今まで知らなかったことを次々と知り

今までは投資に対して抱いていたイメージに過ぎなかったと学んだ。

 

「投資=ギャンブル」ではない

 

一番衝撃だったのは、

 

長期・分散・積立

 

という考え方だった。

 

短期で儲ける世界だと思っていた。

 

いやむしろ

時間をかけて

コツコツと資産を増やしていく。

 

この方法のほうが主流であると学んだ。

 

それを知ったとき、イメージが180度変わった。

 

「若さ」は何よりの武器になる

 

そして、もう一つ衝撃だったこと。

 

「投資は早く始めるほど有利」

 

という事実。

 

複利・時間・積立

 

今まで若いことに価値なんて感じたことはなかった。年齢が上がるにつれて給料も上がるしより良い暮らしができると思っていた。

 

でも、投資の世界では

23歳という年齢そのものが武器になるらしい。

 

なんだか不思議だった。

 

銀行だって安全ではない

 

最初は銀行に預けることが一番安全だと思っていた。

 

実際、何もしなければ数値上は減らないように見える。利息も付く。

 

でも、完全な安全ではないことを知った。

 

物価は少しずつ上がっていく。つまり、お金の価値は下がっていく。

 

昔は100円で買えていたおにぎりが、今では200円になっている。

 

つまり、銀行に置いているだけでは減らしていることになると思った。

 

「何もしないこと」も

ある意味ではリスクであると初めて知った。

 

怖さが消え始めた

 

気づいたころにははじめに抱いていた不安はなくなっていた。

 

しかし、心配がゼロになったわけではない。

 

暴落は怖い。

損失も怖い。

 

でも「知らないから怖い」状態ではなくなっていた。

 

学ぶほど恐怖がなくなっていった。

 

投資を選ぶ決意

 

このお金をどう使うべきか。

たくさん考えた。

 

旅行?車?貯金?

 

もちろんこれらは悪くないと思う。

でも考えれば考えるほどある思いが強くなった。

 

「使う」より「育てたい」

 

このお金をただ消費するのは違う気がした。

 

祖父は長い時間をかけてこのお金を作った。

その時間ごと受け取った気がした。

 

だから僕はこのお金をさらに大きくして

もっと多くの体験をしたいと思った。

もちろん老後の資金も考えながら。

 

だから、投資を選ぶことにした。

 

人生が変わり始めた

 

多分あの日からだった、なんとなく楽しんでなんとなく生きてきた毎日が変わり始めたのは。

 

お金について考えるようになった。

将来について考えるようになった。

投資を学ぶようになった。

そして、

時間の価値を考えるようになった。

 

この考え方を持ち、人生について考えたのはこのお金と向き合った日だと思う。

 

しかし、この選択が、

なんとなくで過ごしてきた人生を変えることになるのはこれからの自分の行動次第だ。

 

目を背けずに一歩ずつ前に進んでいく。

 

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